【煎茶道翼仙教室】日本六古窯の焼き物「常滑焼」を学びに旅してきました。
煎茶道翼仙教室でよく使われる常滑焼(とこなめやき)の急須(きゅうす)を勉強しに、愛知県常滑市へ旅してきた記事です。
こんにちは。
煎茶道翼仙教室の翼仙(よくせん)です。
煎茶道といえば急須を使いますが、急須と言うっても沢山種類がありますね。
ご家庭では、どんな急須を使っているでしょうか。
煎茶道具でもよくつかうこの急須、どこかで見たことありませんか?
このオレンジ色の急須、どなたも人生でどこかで見たことはありませんか。
このオレンジ色の急須、中国では宜興窯(ぎこうよう※)の急須、日本では愛知県常滑市の「常滑焼(とこなめやき)」として有名な急須なんです。
※中国江蘇省(こうそしょう)宜興近郊の陶窯。明代以降に栄え、鈞窯(きんよう)系の雑器や朱泥(しゅでい)・紫泥(しでい)などの茶器を産する
煎茶道の祖といえば、京都宇治市にある国宝・黄檗山萬福寺(おうばくさんまんぷくじ)の初代管長(かんちょう)にして、黄檗宗開祖(おうばくしゅうかいそ)である隠元禅師(いんげんぜんじ)です。
隠元禅師は、江戸時代の初期に日本に、中国から渡ってきた高僧で、その際に煎茶法(せんちゃほう)も伝来したと言われています。
実は、そんな隠元禅師がつかっていた煎茶道具が、宜興の朱泥(しゅでい)の急須だったのです。
(詳しく見たい方は、黄檗山萬福寺にある「文華殿(ぶんかでん)」で、隠元さんのお道具が見れます!!)
今回はそんな朱泥急須の日本の大産地「常滑焼の郷」に訪れた際の記事です。
ーーーーーーーーこの記事の目次ーーーーーーーー
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煎茶道の茶会でよく見かける常滑焼とは
日本の中部地方といえば、セトモノという言葉が共通語になるほど焼き物が盛んな地域です。
例えば瀬戸焼(せとやき:愛知県瀬戸市)、多治見焼(たじみやき:岐阜県多治見市)、織部焼(おりべやき:岐阜県土岐市)などなど、沢山の焼き物がありますね。
その中でも存在感が強い(私の主観ですが笑)のが常滑焼(とこなめやき)です。
常滑焼(とこなめやき)とは…愛知県常滑市を中心とし、その周辺を含む知多半島(ちたはんとう)内で焼かれる炻器(せっき)です。古来より焼き物の産地として有名な日本六古窯(ろっこよう)の一つです。
日本の焼き物の中でも古く、日本遺産にも登録された日本六古窯(にほんろっこよう)である愛知県瀬戸焼(せとやき)、愛知県常滑焼(とこなめやき)、福井県越前焼(えちぜんやき)、滋賀県信楽焼(しがらきやき)、兵庫県丹波焼(たんばやき)、岡山県備前焼(びぜんやき)のグループの中の1つです。
煎茶道ゆかりの常滑焼はどんな特徴がある?
一番の特徴ですが、めっちゃ「オレンジ色(赤褐色)」です!
①とにかく朱色!!
土に鉄分が多く含まれており、朱泥の焼き物になります。
いわゆる酸化鉄ですね(鉄が酸化して赤みを帯びる)
釉薬を塗らずに焼き締めで完成するため、土の色がはっきり表れます。
朱泥の焼き物は日本では江戸時代まで作れなかったそうです。
その後赤土が常滑で採掘されて大量生産、そのあと大ヒットしました。
日本人の憧れだったからです。
なぜ憧れだったのかというと、中国で大ヒットしていたからです。
江戸時代はまだ中国に憧れをもっていた時代。
中国の焼き物といえば、中国宜興(ぎこう)の朱泥茶壺です。
素人レベルでも分かるぐらいに美味しくお茶が淹れれます。
②世界唯一の海藻をつかった釉薬!!
なんと急須や茶碗に、海藻(かいそう)を巻きつけて焼成します。
”ジュズモ”と言われている海藻の一種を、茶碗や急須に大量に巻き付けると、その部分だけ焼色が変化します。
その焼きムラを楽しむのが”藻掛け(もがけ)”と言われ、これは日本オンリーワンの技術です。
もとは中国の宜興(ぎこう)という都市の焼き物技術が日本に伝わり、ここ常滑の土が相性が良く、この焼き色になったそうです。
ジュズモを乾燥させたものを糸でくくりつける焼成すると自然由来の愛らしいデザインに変身します。
使う度に常滑の自然豊かな景色を思い出しますね。
そして「素焼き(すやき)」です。
釉薬をかけずに仕上がるので、独特の風合いになります。
弥生時代の須恵器(すえき)を作っていたここ常滑では、時代が進んでも、同じ製法で焼き物をつくっているんですね。
煎茶道ゆかりの常滑焼「やきもの散歩道」を歩いてみた!
常滑市にあるやきもの散歩道は、中心市街地の小高い丘にある特に人気の観光スポットです。
江戸時代の街並みや窯がそのまま残されていたりするので、常滑焼を見に行く際はぜひ寄って見てください^^
日本最大級の登り窯!?
こちらが常滑焼の登り窯です。
登り窯とは、簡単に言うと、陶器を大量生産する窯です。
窯の下のほうで薪を焚き、炎や熱が上にいく性質を利用し、階段状に窯をつくり、各階で焼きます。
登り窯のメリットは大量生産が出来ることです。
炎の特徴は、酸素を追い求めてどんどん上に進んでいくことです。
なので下で火を焚けば、登り窯全体が温まり、多くの焼き物を作る事が出来るのです。
この穴の多さをご覧ください。
一度に何百もの焼き物を作れます。
それだけ全国からの需要があったんですね。
登り窯の中の写真。
奥深いので沢山の焼き物が置けます。
焦げ跡が残っていて歴史を感じます。
このスペースが10段ぐらいあって、お碗とか皿を何段にも重ねて焼いていたようです。
温暖な気候が特徴で、牧畜も盛んなようです。
窯をバックに現地の牛乳で優雅なティータイムを♪
インスタ映えスポット「土管坂」
さらに道沿いに進んでいくと、「なんやこれ!」という場所がでてきます。
常滑焼の廃材が、所狭しと、地面や壁面に埋め込まれています。
ここ常滑やきもの散歩道では、明治期の土管(どかん)と昭和初期の焼酎瓶(しょうちゅうびん)が左右の壁面をびっしりおおい、坂道には「ケサワ」という土管の焼成時(しょうせいじ)に使用した捨て輪の廃材を敷き詰め、滑らず歩きやすいように工夫されています。
それらには、酸化鉄が多く含まれているため、朱泥(しゅでい)の特徴的な見た目が風景に溶け込んでいて、どこかヨーロッパ風のオシャレな雰囲気になっています。
いやーうまいこと作りましたね。
さっきの招き猫もですが、常滑市はPRがうまいですね。大胆かつ直球のメッセージ。ここは焼き物の町であるということがストレートに伝わってきます。
廻船問屋瀧田家の木塀と焼き物道。
海に近い常滑は、海運で賑わっていました。
もちろん輸出品は常滑焼。
常滑焼は丈夫で長持ちするので全国から求められていたようですね。
常滑ならではの風景ですね。
そこかしこに赤レンガ建ての窯場の跡のような建物が。
レンガってだけで異国風な外観でオシャレですね!!
実際に稼働している窯場も多くあって、作家さんの個性的な作品が見られます。
やきもの散歩道にある日本最大の常滑焼の急須。
「急須といえば常滑」という言葉にふさわしいビジュアルがありました笑。
にしても大きすぎる笑
これはモニュメント用に作られたそうです。
やきもの散歩道にはあちこちに常滑焼が置いてあります。
こちらは民家の前にあった甕です。
この甕で水を貯めて、生活用水として使っていたのでしょうか。
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可愛さ満点!招き猫ストリート!!
常滑と言えば招き猫の生産量が日本一です。
招き猫はすでにアメリカや中国でも人気になるなど世界的な知名度を誇ります
(welcome catやlukcy catと呼ばれています)
常滑駅からすぐの場所に招き猫ストリートなるものがあります。
陶器で出来た招き猫が見れるので、常滑にいらした際はぜひ一度立ち寄ってみてください。
スーパーマンの招き猫
可愛いですねえ笑
効能は「無病息災」
無敵のスーパーマンにあやかって、このデザインになったわけなんですね。
エンジェル招き猫。
効能は「安産」
可愛らしい表情とポップな色遣いが良いですね!
地球の上に立つ猫。
まわりの炎のような赤いオーラのようなものは一体、、、
効能は「地震息災」
風神雷神図オマージュ招き猫。
これは風神の招き猫か、、、!?
だんだんと分からなくもなってきます笑
でも可愛らしい猫だから許せちゃう笑
効能は「健康長寿」
エスニック招き猫。
瓔珞(ようらく:宝石などを連ねて編み、仏像の頭・首・胸などにかけた飾り)模様の招き猫です。子猫も抱いてて可愛いすぎます!エスニックな感じがしますねー。
巨大招き猫「とこにゃん」
めっちゃ大きいです笑
可愛いのでインスタ映えスポットです。
煎茶道翼仙教室のために購入した常滑焼とは。
今回もたくさん勉強させていただきました。
実は以前ですが、名古屋市に仕事でいまして、その際に愛知県はよく観光してました。
しかしなぜか、愛知県南部にある常滑市は行けてなかったので、今回改めてじっくり旅ができて、愛知県も観光できて、懐かしいような、新しいワクワクのような感覚もあり、かなり満足できました。
ちなみに私がお土産で購入したのは「焼酎瓶型の水注」です。
水道水を入れても常滑の土が塩素を吸収してミネラルを供給するので、美味しくてまろやかな水がつくれます(^^)
なぜ焼酎なんだ、と言われそうですが笑。
常滑焼の土は、前段にも記載したように、鉄分(酸化鉄)を多く含んでいます。
このボトルに水をためておくと、カルキ抜きと同時にミネラル成分が多くなり、まろやかで雑味がない、美味しいお茶を淹れることができます。
お客様に美味しいお茶を出すためにも、水にはぜひこだわっていきたいですね。
今回訪問した場所の基本情報
今回は以上になります
。
ご覧いただきありがとうございました。
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