【煎茶道翼仙教室】日本最古の茶文化をもつ滋賀県の愛東茶(あいとうちゃ)を訪ねて
煎茶道翼仙教室(せんちゃどうよくせんきょうしつ)で使用する日本茶を探しに、日本最古の茶文化が残る滋賀県にある愛東茶(あいとうちゃ)を訪ねてきた記事です。
こんにちは。
煎茶道翼仙教室の翼仙(よくせん)です。
今回は日本最古のお茶処を有する滋賀県は東近江市(ひがしおうみし)の愛東茶(あいとうちゃ)の宮川茶園に関する記事です。
ーーーーーーーーーーーーこの記事の目次ーーーーーーーーーーーー
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なぜ煎茶道翼仙教室で使う日本茶を滋賀県で?
滋賀県は1000年以上前より、日本を代表するお茶の産地でした。
比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)の開祖、最澄(さいちょう)が中国より持ち帰った茶の種を、滋賀県大津市にある日吉大社(ひよしたいしゃ)の門前に植え、そこから滋賀県のお茶の歴史が始まったと言われています。
私が所属している煎茶道黄檗売茶流(せんちゃどうおおばくばいさりゅう)では、5月の茶摘みの時期に、最澄さんが残された茶園と言い伝えられている日吉茶園にて、茶摘み後に国宝日吉大社の本宮に奉納する献茶式という儀式を行なっています。
言わば滋賀県は日本最古のお茶の歴史を持っていて、そんな滋賀県のお茶こそ、地方の伝統文化が生きる煎茶道翼仙教室で使いたいと思いました。
滋賀県って煎茶道で使うお茶が育つの?
滋賀県は、その県土の中心に琵琶湖があり、周囲は山に囲まれています。
つまりおわん型の地形となっているため、周囲の山の水はすべて中心地に集まります。そのため湖周辺には沢山の川が流れており、お茶にとって好適(こうてき)な朝霧が発生しやすく、お茶を生産しやすい地域なのです。
また江戸時代には「宇治は茶所、茶は政所(まんどころ:現在の滋賀県東近江市)」とうたわれ、滋賀県は、お茶の生産地として一躍全国で有名になりました。
滋賀県の愛東茶を求めて
今回はお茶好きの友人から、「とても丁寧に、美味しいお茶を作る人がいる」と聞いて、滋賀県東近江市にある、無農薬・有機肥料栽培で、お茶を生産されている宮川茶園さんを訪問させて頂きました。
こちらは宮川茶園さんの茶畑。
ちょっとした小高い丘の上一面に、緑の絨毯が広がっていました。
空がひらけてて気持ち良い。
遠くに見える鈴鹿山脈が美しく、天気が良かったので霧で青みがかった山肌まで見えました。
遮蔽物が少なく、太陽の光をたっぷり浴びた健康的な茶葉が収穫できそうです。
茶葉畑は横一列に整然と並んでいます。
収穫時の動きを考えると効率が良いんだとか。
そんな美しく並ぶ茶の木の畝(うね)の間には、宮川茶園ならではの景色が見えます。
こちらの画像をご覧ください。
雑草が生えています。
除草剤などの農薬を一切使わず、また有機肥料を使用しているため、植物が元気よく生えてきます。
また茶の木の根元には、ポトポトと実が落ちています。
茶の実が落ちているのが分かります。
これは落ちる前の茶の実。
普通の茶畑に行ってもあまり見ることのない光景との事です。
実はこれ、有機肥料栽培の茶畑のみに見れる景色なんです。
通常の茶畑は、茶葉に旨味成分をもたせるため、チッ素やリン酸を含んだ化学肥料を混ぜます。
私も実家が農家のため、よく化学肥料を畑に混ぜていたのを思い出しました。
他にも畑のpH(ペーハー)を調整するため、石灰を入れたりしました。
野菜の成長を促すためです。
しかしここ宮川茶園では、自然由来のこだわりの有機肥料栽培のため、このように茶の実がポトポトと大量に落ちています。
珍しいのでアップで撮影しました。
この生命力溢れる茶の木からは、伊吹山や鈴鹿山脈からの冷たく激しい風を受けながらも、必死に次の生命を生み出そうとする強いエネルギーを感じます。
とても美しく感じました。
私はこの光景を見て、感動しました。
記事冒頭で、「滋賀県の日吉茶園が日本最古で〜、、最澄が茶の実を〜、、」と記載しましたが、まさにこれの事だと。
今から約1200年ほど前に、最澄が中国で見た茶の木はこんな景色だったのかな。
ちなみにトリビアを一つ紹介します。
地図記号にある茶畑のマーク、なんと先ほどの画像の茶の種からデザインされたものだそうです。
宮川さんに教えていただきました。
煎茶道具で、日本最古の滋賀県のお茶を飲む!
茶畑の見学が終わると、次は宮川さんのご自宅で、実際に先ほどの畑で収穫されたお茶を淹れていただくことになりました。
さすが、宮川さん。
製茶への情熱から、中国やネパール、ミャンマーまで勉強しに行かれた方です。
3種類の違った製茶法のお茶を出してくれました。
左から時計まわりで①春番茶、②一番茶、③萎凋(いちょう※)された一番茶、です。
※萎凋(いちょう)とは、収穫した茶葉を風通しの良い暗所で放置し、僅かに萎れさせることで内部の酵素による微発酵を促す工程です。
愛東茶の春番茶を飲む。
①春番茶とは、ここ東近江市周辺でしか出回らない貴重な番茶です。
カフェインが少なく、お子様でも飲めるお茶とのことで、優しい味がしました。
また「春」という冠称が付く理由も分かりました。
春に製茶される事も去る事ながら、生命の芽吹く春の青らしい味もしました。
愛東茶の一番茶を飲む。
②一番茶は、とても生命力溢れる味がしました。
滋賀県湖東の厳しく寒い冬を乗り越えた、たくましい茶の木のエネルギーがたくさん詰まった、一番最初に摘む茶葉です。
あっさりとした渋みと口全体に広がる旨味。
恐らく今後ほかのお茶を飲んだとしても忘れない味です。
愛東茶の萎凋(いちょう)された一番茶を飲む。
③萎凋(いちょう)された一番茶は、香りが甘くて特徴的です。
味は先ほどの1番茶と同じですが、ダージリンのような発酵茶の香りがあります。
飲み干した後の茶器には甘い香りが残っていて、とても印象的でした。
なぜ甘い香りがあると印象的だったかというと、日本で生産されるのはほとんどが緑茶で、緑茶は不発酵茶です。
なので緑茶からは発酵茶のような香りが出ないものだと思っていたからです。
萎凋(いちょう)するにしても、宮川さんならではの製法があるとの事で、とても気になります。
またこちらの宮川茶園の茶葉に共通して言える味の特徴ですが、渋味があまりないんです。
煎茶なのでもちろん高温のお湯で淹れる訳で、するとカフェインやカテキンはお湯に溶け出します。
でもこの愛東茶は、熱々の煎茶を口に入れても旨味が目立つ優しい味がします。
こちらの茶園の宮川さんの優しさがそのまま味に出ているような味でした。
愛東茶(あいとうちゃ)のスペシャルな1杯をいただきました。
最後に宮川さんが特別な一杯を淹れてくれました。
なんと日本で作った烏龍茶(うーろんちゃ)です。
宮川さんが苦節数年の歳月をかけて作られた特別な茶葉です。
烏龍茶(うーろんちゃ)は発酵茶です。
やはりとても甘い香りがして、エスニックというか、オリエンタルな味がします。
同じ茶葉なのに、製茶の仕方でこれほど味が変わるとは。
やはり日本茶は奥が深い。
煎茶道家おすすめ!東近江で日本茶探訪後のランチはこちら。
宮川茶園で勉強させていただいた後、ご紹介いただいた野菜花(ノナカ)でランチをすることに。
東近江で収穫された野菜を中心にしたヘルシーなランチ、とても美味しかったです。
宮川茶園さんの茶葉を買うなら「道の駅 愛東マーガレットステーション」
東近江市の道の駅で、美味しい宮川茶園さんの煎茶や東近江のお野菜が売っています。
以上です。
ご覧いただき、ありがとうございました。
・煎茶道家「よくせん」とは~「はじめての煎茶道教室in大阪」開講しました!
http://yokusen.hatenablog.com/entry/2019/12/07/142829
・煎茶道 黄檗賣茶流教授 東叡山翼仙(とうえいざんよくせん)とは!
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(せんちゃどう おおばくばいさりゅう とうえいざんよくせん)