煎茶道家翼仙がおススメする三重県萬古焼の旅
煎茶道翼仙教室(せんちゃどうよくせんきょうしつ)でつかう萬古焼(ばんこやき)をもとめて、三重県へ旅した記事です。
みなさんこんにちは。
煎茶道翼仙教室の翼仙(よくせん)です。
今回は日本六古窯の1つ「萬古焼(ばんこやき)」を見に、三重県の四日市市(よっかいちし)や津市(つし)に旅してきた際の記事です。
ーーーーーーーーーーーーーーーこの記事の目次ーーーーーーーーーーーーーーー
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煎茶道でよくみる三重県の焼物「萬古焼」とは
萬古焼(ばんこやき)とは、三重県四日市を中心に生産される、日本の伝統的な陶磁器(とうじき)の一つです。
日本の焼き物の中でも古く、日本遺産にも登録された日本六古窯(にほんろっこよう)である愛知県瀬戸焼(せとやき)、愛知県常滑焼(とこなめやき)、福井県越前焼(えちぜんやき)、滋賀県信楽焼(しがらきやき)、岡山県備前焼(びぜんやき)のグループの中の1つです。
葉長石(ようちょうせき)という耐熱性(たいねつせい)に優れた鉱物が多量に含まれていて、熱に強い特徴を持っています。
ちなみに葉長石はいわゆるペタライト鉱石ですので、強い遠赤外線を出します。
なので土釜(どがま)や土鍋(どなべ)など、長時間火にかける必需品を生産していました。鉱物が多く含まれているので、陶器(とうき)と磁器(じき)の間の性質を持つ半磁器(はんじき)であり、近くにある同じ三重県の伊賀焼(いがやき)や滋賀県の信楽焼(しがらきやき)と比べて、表面はかなりツルツルです。
三重県四日市市の代表的な地場産業であり、国指定の伝統工芸品です。
煎茶道ゆかりの三重県「萬古焼」の由来とは
室町時代に、楽市楽座(らくいちらくざ)の自由商業都市として栄えた三重県桑名(くわな)に、有力な回船問屋(かいせんどんや)の沼波家(ぬなみけ)がありました。
豪商の沼波家が18世紀初頭に作り始めたのが萬古焼です。その際の沼波家当主である沼波弄山(ぬなみろうざん)が、屋号である萬古屋(ばんこや)から命名した「萬古」「萬古不易(ばんこふえき)」が由来となっています。これは松尾芭蕉(まつおばしょう)が好んで説き始めた言葉で、何時の世までも栄える優れた焼き物という想いを込めた意味合いがあります。
素敵な想いが込められてますね。
ちなみになぜ煎茶道具である急須をよく作るようになったかというと、この沼波弄山が中国趣味で、かつ京都で煎茶道具をつくっていた尾形乾山(おがたかんざん)に弟子入りして技術を会得していたため、萬古焼といえば煎茶道となったようです。
煎茶道といえば三重県「萬古焼」の急須、その特徴は?
それではそんな萬古焼には、どんな特徴があるのでしょうか。
萬古焼の一番の特徴は紫泥(しでい)という色です。
茶色を濃くしたような色です。
鉄分を含む地元の赤土粘土(あかつちねんど)を使用し、還元焼成(かんげんしょうせい)を行います。
釉薬をかけないで焼き締めた、なんの着色料も使用していたその紫泥色はまさに自然が表現した色です。青々とした玉露の茶葉とよく合います。
それならもう萬古焼の急須を買うしかないじゃん、、、
ということで三重県行ってきました!
煎茶道具を買い求めて三重県へ①
名称:ばんこの里会館
ふりがな:ばんこのさとかいかん
電話番号:059-330-2020
営業時間:2階うつわ亭10:00~17:00
萬古焼の窯元は四日市や菰野町(こものちょう)にも広がっており、まとめていろんな作家さんの作品を見れるのが、こちらの「ばんこの里会館」になっています。
入り口には、萬古焼の土鍋が多数展示されていました。
前文でも書きましたが、萬古焼には葉長石(ようちょうせき)が多くふくまれているので、遠赤外線(えんせきがいせん)の効果で熱伝導率がたかく、鍋や釜にピッタリです。
館内にはいるとこんな感じ。
1階は陶芸体験のエリアで、2階は県内各地の萬古焼の窯元作品が販売されています。
階段のギャラリースペースには、萬古焼の急須がたくさん飾られていました。
萬古焼は鍋が有名ですが、はじまりは文人趣味がたたって煎茶道具の急須です。
従来の萬古焼急須から、現代的な急須までさまざま飾られていました。
いちばん印象的だった作品が、このフグに見立てた急須「ぷくぷくフグティー」です。
このトゲの部分をつくるのに、どれくらいの時間がかかったのでしょうか。
色も赤と白に分かれていて、芸が細かい。
煎茶道具を買い求めて②
交通手段:近鉄名古屋線下車して徒歩10分
電話番号:tel/fax:059-324-7956
営業時間11:00~18:00(日曜営業)
定休日:火曜日、水曜日
オシャレな外観のここは、バンコアチーブデザインミュージアムさんです。
館内は萬古焼の販売やカフェ、またギャラリーも併設されていて、焼き物好きにはたまらない空間となっています。
若者がよく使いそうなオシャレなカフェって感じでした。
煎茶道具を買い求めて③
喫茶轤夢庵(きっさろまん)と器屋(うつわや)にきました。
電話番号:059-392-2288
営業時間11:00~18:00(日曜営業)
定休日:水曜日
大きな合掌造り風の瓦屋根の古民家カフェです。
ここでは萬古焼やら日本各地の焼き物で、美味しいコーヒーがいただけます。
この反対側に「器屋」という、店長が選び抜かれた萬古焼や骨董が販売されていました。
煎茶道翼仙教室でつかう急須を購入しました。
今回買ったものは、紫泥の泡瓶(ほうひん)です。
泡瓶とは中国語で、ようは取っ手のない急須です。
ここに青々とした玉露をたっぷりいれて、旨味たっぷりのお茶を淹れながら、景色も楽しみたいですね。
煎茶道家翼仙おすすめのスポット「榊原温泉(さかきばらおんせん)」
ーーーーー基本情報ーーーーーー
ふりがな:ゆもとさかきばらかん ひがえりおんせん ゆのしょう
住所:〒514-1251 三重県津市榊原町5970
連絡先:TEL. 059-252-0206(代)
アクセス:近鉄 榊原温泉口駅下車、送迎バス(要予約)で約15分
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わたしは宮城県大崎市出身ですが、大崎市といえば東日本最大の源泉数(げんせんすう)を誇る温泉王国の出身です。
関西に住んでいると、源泉を薄めたお湯のことを温泉と言っており、辟易していましたが、この榊原温泉はなんと「源泉100%、かけ流し、無消毒」なんです。
さすが古い歴史をもつ榊原温泉です。
館内にはいると温泉神社があります。
入浴前に拝礼します。
温泉神社のとなりには、温泉を飲むことができる「飲泉(いんせん)コーナー」があります。
これは評価ポイントが高まります。
温泉はミネラルたっぷりで、意外と栄養あります。
肝心の温泉ですが、ハッキリ言って、ここ入浴しなかったら人生損してます。
今までにないぐらいトロトロの強アルカリ性温泉。
よく美人湯なんで言われますが、もう美人を通り越して、ウナギ湯です。
ぬるぬるです。
宮城県の鳴子温泉(なるこおんせん)には「しんとろの湯」という、トロトロ温泉がありますが、おそらくここはそれを凌駕するヌルヌル感があります。
本当に来てよかった。
煎茶道家翼仙のおすすめスポット「三重県初の国宝・専修寺」
名称:高田本山 専修寺
ふりがな:たかだほんざん せんじゅじ
住所:〒514-0114三重県津市一身田町2819番地
電話:059-232-4171
FAX:059-232-1414
交通アクセス:JR「一身田駅」から徒歩5分
拝観料金:無料
2017年、三重県初の国宝にされたのが、津市にある専修寺(せんじゅじ)です。
浄土真宗高田派の本山で、歴史深い三重県の古刹(こさつ)です。
無料の駐車場からお寺へむかうと、出迎えてくれるのが、この大きな唐門です。
檜皮葺(ひわだぶき)で唐破風(からはふ)屋根の大きな木造の門は、どんな人でも見上げなければすべてを見ることができず、圧倒されます。
唐門をくぐり、目の前にあるのが国宝の如来堂(にょらいどう)です。
どこか京都宇治にある萬福寺に似ています。
1748年建立の古い建物で、外観は、唐様の建物で桐紋の入った破風を持ち、美しい組物や、象・竜・獏など、中国の故事にもとづく多くの彫刻が見られる華麗な造りとなっています。
特に軒下の木組みや虹梁(こうりょう)あたりを見ていただくと、この建物の良さが楽しめます。
重要文化財「通天橋(つうてんきょう)」
京都東福寺の渓谷にかかる紅葉の名勝「通天橋」は有名ですが、じつは三重県にもありました。
御影堂(みえいどう)と如来堂(にょらいどう)をつなぐ、渡り廊下です。
天井には細工がほどこされた梁がかけられています。
専修寺の門前には、カフェや地場食品のショップなど門前町のような賑わいがあり、無計画でも行っても十分観光できる場所だと思いました。
ぜひみなさん、萬古焼観光の際は、こちらにもお立ち寄りください。
以上になります。
ご覧いただきありがとうございます。
また煎茶道にご興味のある方は、ぜひ煎茶道大阪上本町教室&オンライン教室の公式ホームページをご覧くださいね。煎茶道に関する記事をいろいろ書いてます!
・煎茶道家「よくせん」とは~「はじめての煎茶道教室in大阪」開講しました!
http://yokusen.hatenablog.com/entry/2019/12/07/142829
・煎茶道 黄檗賣茶流教授 東叡山翼仙(とうえいざんよくせん)とは!
http://blog.hatena.ne.jp/yokusen/yokusen.hatenablog.com/edit?entry=26006613537354011
(せんちゃどう おおばくばいさりゅう とうえいざんよくせん)