和文化研究

日本茶のブログです。

2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧

三重県椿大神社・鈴松庵にて茶道体験

椿大神社 鈴鹿の山裾に抱かれるようにして鎮座する椿大神社。その参道を歩くと、空気が変わるのを感じる。鳥居をくぐった瞬間、風の音が静かになり、木々のざわめきが耳に届く。神域とは、こういう場所のことを言うのだろう。日常の喧騒が遠のき、心がひとつ…

火と土の記憶──伊賀焼に触れる

伊賀焼登り窯 伊賀焼の器を手に取ると、まずその重さに驚く。ずしりとした質感。指先に伝わるざらつき。釉薬の流れが止まった場所には、火の痕跡が残っている。焼き締めの肌は、まるで山の岩肌のように荒々しく、それでいてどこか柔らかい。伊賀焼には、他の…

【常滑焼・愛知県】地域伝統文化エッセイ2

愛知県常滑市の招き猫 常滑の町を歩いたのは、夕暮れが迫る頃だった。名鉄常滑駅から「やきもの散歩道」へ向かう道すがら、空は淡い橙に染まり、煙突の影が路地に長く伸びていた。私はこの町に、常滑焼の急須を探しに来た。いや、正確には、急須を通してこの…

【馬刺しとからしレンコン】

熊本県の馬刺し 熊本の夕暮れは、どこか哀愁を帯びている。阿蘇の山々が遠くに霞み、街の灯りがぽつぽつと灯り始める頃、私はひとり、居酒屋の暖簾をくぐった。旅の目的は、熊本の地域文化を探ること。観光地を巡るよりも、地元の人々が日々の暮らしの中で育…

【鳴子こけし】地域伝統工芸エッセイ:1

鳴子こけし 鳴子温泉での湯治の旅から帰ってきた日、私は小さな木の人形をそっと鞄から取り出した。ねまりこコケシ——鳴子こけしの中でも、どこか幼い表情をしたその子は、湯気の立ちのぼる温泉街の店先で私に微笑みかけていた。手に取った瞬間、木のぬくもり…