煎茶道大阪上本町教室ブログ

煎茶道大阪上本町教室のブログです。大阪や京都で煎茶道教室やお稽古、初心者向けに習い事や趣味としてはじめての日本茶ワークショップを企画してます。国内旅行や地方文化についても書きます。

【煎茶道翼仙教室】大津絵の先生「胡径庵」

煎茶道翼仙教室でよく使われる「大津絵」を大津市にあるギャラリー胡径庵で勉強してきました。

 

こんにちは。

煎茶道翼仙教室の翼仙(よくせん)です。

 

 

今回は私が1番好きな滋賀県の民芸品「大津絵(おおつえ)」のギャラリーに行ってきた記事です。

ーーーーーーーこの記事の目次ーーーーーーー

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 煎茶道の茶会にもよく登場する「大津絵」ってご存じですか?

 かつて江戸時代に、このような俳句が詠まれました。

「大津絵の、筆のはじめは、何仏(なにぼとけ)」

松尾芭蕉俳諧勧進牒』(路通編)ー

元禄4年(1691年)正月4日に大津で詠まれた句です。

 

大津絵が全国的に認知されはじめたのが、だいたいこの時期だと言われています。

それでは、大津絵とは一体なんの絵で、なぜ有名になったのか、紐解いていきます。 

 

 煎茶道翼仙教室でもよく登場する大津絵とは

江戸と京都を繋ぐ今でいう国道のような役割を果たしていた「東海道(とうかいどう)」には、道中に様々な宿場町が用意されていました。

京都に入る直前の宿場町である滋賀県追分宿(おいわけしゅく)には「大津絵」というお土産がありました。

 お土産屋さんにいる絵師が、その場で焼く30分ほどすぐ描いてくれたとか。f:id:yokusen:20200414235048j:image

例えばこの大津絵は「鬼の念仏」というタイトルです。

聖職であるお坊さんの服装(袈裟{けさ})を着ていて立派に見えますが、中身は鬼のように悪いことしか考えていない、という当時の皮肉が込められています。

 

コミカルでアイロニック(風刺的、皮肉まじり)な、走り書きのような画風が民俗画「大津絵」の特徴です。

江戸時代のはじめ、戦乱の世が終わり、急増したお坊さんの副業から始まったと言われています。つまり仏画なんですが、仏様をこんなにコミカルに描く仏教国は、世界で日本だけではないでしょうか。

 

仏教なのにコミカル、コミカルなのに関西らしいオチまで付いてる不思議な民俗画

それが大津絵です。

 

そんな大津絵のギャラリー「胡径庵」に行ってきました。

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煎茶道のご縁で知り合った大津絵作家「胡径庵(こけいあん)」へ

胡径庵は、滋賀県大津市穴太駅(あのうえき)の近くにあります。

話はズレますが、穴太といえば、昔の普請技術(ふしんぎじゅつ:土木・建築技術のこと)である「穴太積み」が有名です。
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戦国時代、あの織田信長が重宝した技術で、石垣を高く積めるため、戦国時代に山城から平城へ武将たちの戦略拠点が変化した際に、一気に全国へ広がりました。

 

平城の弱点であった「頑丈で高い塀」も、穴太積みならば、石を高く積み上げて強固な石塀を作れたことから、一気に普及したとか。

 

平城であれば、周辺に城下町が出来て、城中心に経済圏、市街地ができて、行政がスムーズに行えますね。

 

今でも残る「穴太積み」

この穴太では、そこかしこで見れます。

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そんな穴太積みに、日本史好きの私は想いを馳せながら、駅から徒歩5分ほどの場所にある、昔の庄屋や名代の屋敷をリノベーションしたであろう大津絵ギャラリーに到着しました。
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入り口には大津絵の画題である鬼や雷光様の提灯があります。

大津絵には、絵の横に人生の教訓や社会風刺の文章(道歌?賛?)を載せる特徴があります。

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さらにアップ。

この記事の最初に載せた「大津絵の、筆のはじめは、何仏(なにぼとけ)

松尾芭蕉ー」もその1つ。 
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夜になると、ほんのり明るくなった大津絵提灯が素敵。

提灯って優しい光って感じですよね。
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そう言えば先日の読売新聞において、大津絵の海外出展が記事になってました。

フランスの日本文化研究のトップ、パリ極東学院のマルケ院長なる方が大津絵を

研究されており、展示会もその方の尽力があったとか。

(ちなみにそのマルケ院長も、先日、胡径庵に来訪されたようです)

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中に入ると大津絵作品の数々。

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掛軸だったり扇子だったり襖だったりとバリエーションがすごい。

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胡径庵にある大津絵の数々

 

こちらは「大津絵  鬼の念仏」が描かれた襖。

こんな漫画みたいなコミカル感が強いのに、和の雰囲気がでます。

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大津絵の襖

ここでは胡径さんというマスターが大津絵のいろんな話を聞かせてくれます。

思わず聞き入るぐらい、コミカルなのに深い大津絵。

私の煎茶道のお席にも組み入れます!

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ちなみに私が持っている大津絵コレクションも少し披露します(笑)

大津絵の画題で有名な「瓢箪鯰(ひょうたんなまず)」

瓢箪で鯰を捕まえる、という禅問答。これを猿に置き換えてコミカルに。f:id:yokusen:20200202004713j:plain

 フローリングのアパートにも合いますね。

フローリングと大津絵のマッチングをご覧になりたい方はこちらの過去記事をご覧ください→http://yokusen.hatenablog.com/entry/2020/02/03/175314

 

以上です。

ご覧いただきありがとうございました。

 

・煎茶道家「よくせん」とは~「はじめての煎茶道教室in大阪」開講しました!

http://yokusen.hatenablog.com/entry/2019/12/07/142829

 

・煎茶道 黄檗賣茶流教授 東叡山翼仙(とうえいざんよくせん)とは!

http://blog.hatena.ne.jp/yokusen/yokusen.hatenablog.com/edit?entry=26006613537354011

 

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