茶道発祥の地・奈良の赤膚焼へ行ってみた【煎茶道大阪翼仙教室】
煎茶道翼仙教室で使う道具を求め、奈良県奈良市にある陶磁器「赤膚焼(あかはだやき)」の窯元にいってきました。
こんにちは。
煎茶道大阪翼仙教室の翼仙(よくせん)です。
今回は奈良県が誇る焼き物「赤膚焼(あかはだやき)」に関する記事です。
ーーーーーこの記事の目次ーーーーー
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奈良県の茶道具「赤膚焼(あかはだやき)」とは
赤膚焼について説明してきます。
文字通り、赤みを帯びた茶碗で、とても古い歴史があります。
ここで焼き物が作られるようになったのは、紀元前11代垂仁天皇の時代、この地で埴輪づくりが始められたそうです。その後、奈良には平城京が出来、仏教伝来もあり、お寺や神社の瓦を焼くようになりました。
そしてお茶道具としての歴史が始まったのは安土桃山時代、奈良市の南部にある大和郡山城にいた豊臣秀長の命により「茶道発祥の地に大和国にふさわしい茶器をつくれ」との号令で、現在のお茶道具としての赤膚焼が作られるようになったとのこです。
茶道具「赤膚焼」の最大の特徴「奈良絵(ならえ)」とは
そんな数千年の歴史を持つ、赤膚焼ですが、どんな特徴をもっていると思われますか?
①文字通りの紅い土色
②乳白色の釉薬
③奈良絵
①と②は皆さんも想像しやすいと思いますが、③の奈良絵ってご存じですか?
実はこの記事のサムネ画像にもしようしている、赤膚焼の茶碗。
これの縁に描いてあるのが奈良絵です。
奈良県の伝統「奈良絵」の概要
奈良絵とは…簡単にいうと、仏画をコミカルに可愛く描いたものです。もとは奈良絵本と言われる絵草紙(えぞうし:江戸時代に流行したマンガ本のようなもの)がベースになっています。絵の題材は、仏教が盛んな奈良らしく、経典の「過去現在因果絵巻」をコミカルに可愛く描いたものです。
ちょっとアップして見てみましょう。
鮮やかな色合いの人たちや鳥居、建物の中に人がいたりしています。
これは「過去現在因果経」が、お釈迦様が生まれてから亡くなるまでの修行や徳を積むことなど、お釈迦様の一生を描いた経典を絵で表しているのです。
器の縁に、過去現在因果経の絵が描かれています。
昔は文字が読めない人が多く、絵を見せながら、お坊さんが読み聞かせをしていたそうです。
江戸時代の画風で、土佐派という一派があり、そこのタッチも取り入れたため、京焼とは違った鮮やかなデザインになっています。
それにしても可愛いです。数百年の時を経て奈良絵は進化し、奈良の鹿や春日大社の鳥居、正倉院文様(瑞鳥や宝相華)、昔の物語(御伽草子や江戸時代の絵本)が取り入れられ、よりデザインに磨きがかかってます。
私のお気に入りは瑞鳥です(この奈良絵の中で空を飛ぶものすべてがそれ)。
天界から吉兆を知らせる生き物として描かれており、人々に幸運をもたらす役割があります。よく日本文化のデザインでは「咋鳥文(さくちょうもん)」と呼ばれ、何らかの寿福のシンボルをついばんで、天上世界(仙界や天界)と人間界を飛来しています。
この奈良絵では鳳凰(鳥)がついばんでいるのは、奈良時代に盛んにデザインされたという「法相華(ほっそうげ)」です。
花は自然の恵みの象徴で、天と地、太陽と水など自然のはたらきが華という一つのものの中に籠められています。
なのでこのデザインの赤膚焼に出会えた人はラッキーです。
お茶会にいらっしゃった方に、幸運を届けてくれるかもしれませんね。
奈良県の赤派膚焼の窯元ってどんなところ?
赤膚焼の窯元は6軒あり、奈良市と大和郡山市に点在しています。
ギャラリーや物販所を併設している窯元もあり、事前に電話で確認して訪問されることをお勧めします。
赤膚焼の窯元さんへはどうやっていくの?
赤膚焼窯元・大塩昭山さんの窯元はこちら。
こちらは駐車場も大きく、車で行く際はお勧めです。
ギャラリー内はこんな感じ。
たくさんの作品が並んでいて、どれを購入しようかワクワクします。
また敷地内に大塩玉泉さんの窯元もあり、そちらも一緒に訪れることができます。
赤膚焼窯元大塩正人さんの窯元はこちら。
奈良市赤膚町1051-2
TEL 0742-45-4100
要予約
こちらもギャラリーがあり、駐車場も用意していただいてます。
写真の右手の建物がギャラリーです。
こちらも訪問の際は事前に電話にて連絡しましょう。
ギャラリーの壁には、先ほどの瑞鳥のオブジェが。
こちらは赤膚焼発祥の窯元古瀬堯三さんのギャラリーです。
上記の大塩正人さんの窯元の隣にあります。
ギャラリー内には、赤膚焼発祥の窯元ゆえに、額縁で「赤膚焼」の文字が。
以上3軒の窯元さんへお邪魔して、いろいろとお話聞かせていただきました。
皆さん赤膚焼について情熱とともに詳しく教えてくれて、とても勉強になりました。
また次回奈良に行く際に訪問させていただきたいです。
赤膚山から車で10分ほどの大和郡山城へ寄りました。
赤膚焼を奨励した豊臣秀長が初代城主です。
ここは2月になると梅が綺麗に咲きます。
綺麗な紅梅の花。
植物は美しいですね。
あるがまま、自然に生きているから美しいのでしょうか。
満開に近い状態でした。
大和郡山城は城跡です。
豊臣家が治めていた時代には100万石の領地をこの郡山城で管理していたというのですから、間違いなくこの大和国の中心地だったのでしょう。
大きな堀や立派な石垣がまだ残されています。
奈良は東大寺や春日大社、若草山に行くことはよくあるのですが、伝統工芸をトピックスに旅をしても面白いですね。
歴史が深く、街並みや地名、現地の方のお話を聞いていると、とても勉強になります。次は大和郡山の赤膚焼窯元へ行きたいですね。
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・煎茶道 黄檗賣茶流教授 東叡山翼仙(とうえいざんよくせん)とは!
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